君と恋と夏と「後編」

 

みなさんこんにちはノムラだーーーーーーーーーーーよ。

今回は前回の君と恋と夏と「前編」の続きだよ!

前編はこちらから↓

君と恋と夏と「前編」

7月 13, 2018

 

 


 

 

帰宅の際に乗る車両は誰も疲れ切っていて話し声すらしない。

自分のような会社員がほとんどだ。

マサルは大きくため息を吐いてつり革を掴み、席に座らずに流れる景色を見ていた。

 

「どうせ家に帰ってもコンビニ弁当を食べてひたすら眠るだけだ。」

思えばさやが上京した3年前から健康的な食事とは程遠い生活をしていた。

今日も昨日のように終わり、今日のような明日が来る。

つまらない毎日。さやが上京してからマサルは生きる意味を失いかけていた

マサルはふとスマートフォンを手に取った。

「さやに連絡してみよう。」

突然そう思ったのだ。理由は特にないが急に彼女の声が聴きたくなった。

すぐにマサルは最寄駅とは別の隣の駅に降りて電話を掛けた。

慣れないスマートフォン。さやが去年誕生日プレゼントで買ってくれたものだ。

「ガラゲーだとラインができないからスマホに慣れて!」そう言っていた

「ええっとラインはどこだ…?」老眼の目を見開いてゆっくりと液晶を触る。

やっとの思いでマサルはさやのラインを開くことに成功した。

すぐに電話を掛けた。

「もしもし?お父さん?」

懐かしい声が聞こえた。

 

「あ、おとうさん?急にどうしたの?」

「いや、、元気にしているか気になってさ。ちゃんと飯は食ってるか?」

「うん!最近仕事も軌道に乗ってるってディレクターに言われたんだ!」

「そうか…!それはすごいな!」

電話越しに伝わる楽しそうな声。

自分のように意味もなくただ毎日を過ごしているのとは正反対だ。

「気になったのはそれだけだ。体にきをつけて頑張れよ。」

「え?う、うんわかったよ!お父さんもね!」

そう言って愛娘との電話は終わった。

 

マサルは駅のホームからじーっと線路を見つめていた。

「近々さやに会いに行くか。」

 

「なんだったんだろ…。」

お父さんからの電話を終えてさやは人を待っていた。

 

「おーい!」

 

一人の男がやってきた。

待っていた人とは、この間街頭インタビューの時に出会った学生だった。

私はあの日、突然彼に告白された。

正直笑ってしまう話なのだが、彼のまっすぐな目に断る口実を忘れ、

「お…ともだち、からなら!」

そう言ってしまった。

そしてトントン拍子でラインを交換してデートの誘いを受けてしまったのだ。

 

 

「さやさん、カバン持ちますよ。」

 

「いや、ショルダーバッグだから平気だよ」

 

彼の名前はノムラくん。学生で20歳だという。

「今日も暑いですね」

 

変わった子だ。

 

「さやさん!オシャレなカフェを予約したので行きませんか?」

ノムラくんの必死さはとてもよく伝わった。

正直、タイプではなかった。

でも彼のまっすぐなところ、真剣なところに心を奪われつつあった。

 

カフェまでの道の途中、2人で道を歩いた。

こんな近距離に男の人が近づくのはいつぶりなんだろう。

私は初恋のことをほのかに思い出していた。

 

 

「本当にオシャレなところだね!私ノムラくんのこと舐めてた!」

 

「ははは、甘く見ないでくださいね!さやさん、バック持ちますよ」

「いやだからショルダーバックだから平気だって」

 

私たちはカフェでたくさんお互いの事を話した。

仕事のこと、家族のこと、好きな歌手、、そして話は恋愛に切り替わった。

 

「さやさんは燃えるような恋愛をしたことはありますか?」

突然ノムラくんが聞いてきた。

 

「燃えるような…恋か」

そんなものしたことはない。

アナウンサーになると決めた中学生の時から恋愛とは縁を切ったのだ

やっとアナウンサーになれたのに上司からは恋愛をするなと言われる始末だ。

 

「恋どころか、恋愛すらしたことないよ。」

 

ノムラくんの顔が少しこわばったのがわかった。

 

 

 

 

「あそこか?例のアナウンサーが男と密会しているっていうカフェは」

「はい、間違いないです。茜アナウンサーの目撃情報が入りました。」

 

「こりゃあ大スクープだぞ」

二人の男が茜さやのところへ向かっていた。

 

「他人の恋愛を世間に暴く。嫌な職業っすね先輩。」

「俺はこの仕事を初めて20年になるけどな、未だ一回も本当の恋ってものを見たことがない。

芸能人の恋愛に純粋なんて言葉は存在しねえんだ。どうせ今回もどこぞのイケメンスポーツマンか、妻子持ちの俳優か政治家だろう…

不純だらけの芸能界の実態ってのを世間に知らすのが俺らの職業だ。」

 

「さあ茜アナはどんな不純な恋愛をしてるんだ?」

 

「はっは〜!!また僕の負けですよ!さやさんやっぱりじゃんけん強い!」

 

「もう〜私さっきからパーしか出してないのにどうしていつもグー出すの!!」

 

視線の先には二人の男女が仲良く喋っていた。

 

「ブッサイクな大学生だと…?」

 

「占いしてあげる!ノムラくん指を絡めて目をつぶってみて!」

「え、こうですか?」

「そう!それで今欲しいものを頭の中で唱えてみて!」

 

「さやさんからの愛…さやさんからの愛…さやさんからの愛…」

 

「もう!聞こえてるよww てゆーか私からの愛って何!w」

 

「あ!間違えてもうた!!wwwでも、

 

さやさんが不治の病になって誰かの心臓が必要になったら真っ先にこの心臓を捧げるくらいにさやさんのことが好きです」

「僕は本気でさやさんのことが好きです。付き合ってください」

 

「……」

「……」

 

 

「こ、こんな私でよければ…」

 

「これが究極の愛か…」

 

「俺らは何も見なかった。いいな。」

 

「一体なんの話です?先輩」

 

 


 

そんなこんなで、私たちの恋は走り出した。

 

付き合ってからの私たちは、カフェで何時間もだべったり

 

いろんな場所を歩いたり、

 

 

街で絡まれたヤンキーと戦ったり

 

色々とあった。

 

そしてある日のデート。忘れもしない場所は土手だった。

 

「ノムラくん、今日も一日一緒に入れて楽しかった!ありがとう」

 

「さや、もう少し一緒にいないか?大事な話があるんだ。」

 

 

ノムラくんは近くの土手に座り、私をみてた。

「べ、別に時間はあるからいいよ!」

すぐ隣に座った。ノムラくんの横はいつも居心地がいい。

 

「さや、いつも本当に感謝してるよ。ありがとう」

 

「何言ってるの!!私たちは恋人なんだから、当然でしょ!」

 

「俺ら、夫婦にならないか?」

 

「え?」

 

 

 

「さや、結婚しよう」

 

 

…ドサッ

 

 

 

カバンが落ちる音がした。

さやが振り返ると

 

お父さんがいた。

 

「さや、誰だこれは。結婚?どうなってるんだ」

 

「お父さん久しぶりにサプライズしようとしたら逆にサプライズされちゃったよ」

 

「しかもいきなり結婚なんてお父さん意味わからないよ」

 

「一回整理させて」

 

「んア~アアアァ~~~ッ!アアアァ~~~~~~~ッッ!!!!」

 

「オッケー整理ついた」

 

「さや、そんな男の事は置いといて結婚しよう」

 

「ピア~アアアァ~~~ッ!ピアアァ~~ッッ!!!!」

「俺の娘に手を出すなああああああああああ!!!」

 

ドゴッ、ガンッ、ゴンッ

 

「いってぇ!!!!!!!!!!」

「ピャアアアア!!!!!んああああ!!!!!」

 

ドシッ、スパンッ、バンッ、

「お父さん!!!やめて!ノムラくんが死んじゃうっ!!」

 

「知るかァ~~~~~~~ッッ!!!!!!!!」

 

 

 

 

「続いてのニュースです。一ヶ月前に起こった大学生撲殺事件ですが、加害者の茜まさるさんが自宅の庭で確保されました。加害者は青汁を飲んで自殺を図ろうとしていたところを…」

 

 

 

くぅ~疲れましたw これにて完結です!
以下、まさる達からみんなへのメッセジをどぞ

まさる「みんな、見てくれてありがとう
ちょっと腹黒なところも見えちゃったけど・・・気にしないでね!」

さや「いやーありがと!
私のかわいさは二十分に伝わったかな?」

ディレクター「見てくれありがとな!
正直、作中で言った俺の気持ちは本当だよ!」

パパラッチ「・・・ありがと」ファサ

では、

まさる、さや、ディレクター、パパラッチ、俺「皆さんありがとうございました!」

まさる、さや、ディレクター、パパラッチ、俺「って、なんで俺くんが!?
改めまして、ありがとうございました!」

本当の本当に終わり

 

fin,

 

なんだこのブログ

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