【涙腺崩壊】全裸の俺がこたつに隠れて命を救われた話

 

次の日大学で、友人Aに事の全容を話した。

僕の話を聞き終えたAは、少し考えた後に

 

「実はお前に秘密にしてたことあるんだ」と言った。

 

Aが話した話はこうだ。

 

  1. さとみの兄(クッパ)は結構ガチなヤンキーだったらしい
  2. さとみが前の彼氏と別れた理由はクッパが元カレに嫌がらせをしたのが原因
  3. 重度のシスコン
  4. クッパは二男でもう1個上にヤンキーの兄がいるが、クッパよりシスコンでヤバいらしい
  5. ふくらはぎにネコの刺青が入ってる

 

Aからその話を聞きながら僕は、

「なんでこいつもっと早く俺に言わなかったんだよ超重要な話じゃねーかよ」

4回思った。

 

「シスコンのヤンキー」

聞こえはいいかもしれないが、

Aの話によるとクッパの場合は、

以前さとみと付き合ってた男の働いてるバイト先に行き、

何も頼まずガンだけを飛ばして帰ったり

帰り道に「早く別れろよオラ」と脅したりしてたらしい。

 

要するにただのヤバい奴である     

 

そんな事を聞かされた僕はひどく動揺した。

 

Aはそんな混乱している僕をみて一言、

 

「でもさ野村、付き合う上でなにか障害があったほうが燃えるくね?」

 

 

 

いやいや、なんて無責任な発言しやがるんだこいつは

実際にクッパと対峙してみ、まじデケエしガチで怖えから

 

僕はAの頭をその場でカチ割りたかったが

その日の放課後も愛しのさとみとデートだったので気持ちを落ち着かせた。

 

 

 

_____________________

さとみは本当にいい子だった。

ハンカチをいつも持ってたし、いつもいい匂いがした。

だがバーの一件以来、

僕はさとみの顔を見るたびに兄のクッパを思い出して仕方がなかった

 

デート中にさとみが「何かあった?」と心配そうに聞いてきた。

 

僕のテンションが下がっているのを察してくれたのだ。

 

「あなたのお兄さんに脅された以降、夜も眠れない」なんて言えるはずもなく、

 

「ううん、なんでもないよ!」と誤魔化すのが精一杯だった。

 

 

その日の夜、お風呂あがりに携帯を見たら見慣れない着信が3件あった。

 

バイト柄いろんな人と電話することが多い僕はお客さんからの電話かなと思いかけ直した。

 

 

プルルルル…

ガチャッ

 

「あ、もしもしのm

 

貴様まだ付き合ってるのかあああああ!!!!

 

 

クッパだった

 

大きな声だった

 

即ワン切りし、そのままの勢いで着信拒否をした

 

え、なんで電話番号知ってるの?

 

と思ったがよくよく考えたら、

以前バーへ行った時に、

「このバーの会員カードを作れ」

とクッパに言われるがまま記入した個人情報用紙を使ったのだろう。

 

つまりクッパは僕の電話番号はおろか住所まで知っているのだ。

 

なんてこった、家族にまで危害が加わるのは勘弁だ。

 

さすがにまずいと思い、

僕はすぐにさとみに電話をした。

 

 

さとみはただただ謝っていた。

 

「わたしがもっと早く気づいていたらそんな事にはならなかったのに本当にごめんね」

 

泣きそうな声でさとみは僕に謝り続けた

 

「わたしお父さんがいないの。お母さんは2年前から刑務所にいて出てこないし。

だからお兄ちゃん2人がいつも両親みたいにしてくれていて学費だって出してくれてるんだよね

 

 

 

 

ちょっちょっとお母さん刑務所にいるの~!???!?

 

 

《お母さんが刑務所にいる》

 

というパワーワードに心が揺らされたが今はグッと我慢した。

 

さとみ「前付き合ってた彼氏も私のお兄ちゃんが脅迫まがいのことしたらしくて

話し合う事も出来ずに振られちゃってそれが大学で噂になって友達も減っちゃったし

でももう反省してたからしないって言ってたから信じてたのにこんな事になって本当にごめん」

 

違うさとみが謝る必要はないんだ

 

さとみは何も悪くない

 

悪いのはどう考えてもクッパなのだ。

 

 

 

いつも元気なさとみが初めて泣いた。

 

電話越しだが、泣いていた。

 

何もできずに電話越しにすすり泣く声をただ聞きながら

僕は友人Aが言ってたセリフを思い出した。

 

 

”付き合う上でなにか障害があったほうが燃えるくね?”

 

 

Aよ、お前の言う通りだ

 

兄がとんでもなくヤバい奴だとしても、

僕は泣いてるさとみとこれからもずっと一緒にいたいと心から思った。

 

クッパという障害があったほうが僕ら2人の絆も愛も強まるに違いがない。

 

さとみの兄がクッパなら

 

さとみがピーチ姫、

 

そして僕は

 

 

 

its me マリオ

 

 

 

「それでも俺は平気だよ。さとみとこれからもずっと一緒にいたい」

 

僕は心から思ってる言葉を伝えた。

 

さとみは「ありがとう。お兄ちゃんに話してくる。」

 

そう言って電話を切った。

 

 

 

 

後日、さとみがクッパと話し合った結果、

さとみと付き合う上でのいくつかのルールが決まったと連絡が来た。

 

 

さとみと付き合う上でのルール

  1. 週に1回しかデートに行ってはダメで門限は20時まで
  2. 野村と電話する時は夜22時以降はダメ。そして横にクッパがいる時だけ
  3. 結婚するまで野村はさとみに手を出したらダメ。

 

 

意味がわからなかった

 

 

電話を監視されるなんて、戦時下の特別高等警察以外聞いたことがない。

週に1回しかないデート、

しかも20時までには帰らなくてはいけない

そして手を出したらクッパに殺される

 

ダメだこのままだとカップルらしいことも何もできねえ

 

 

だけどさとみは、

「私は野村くんになら手を出されてもいいと思ってるし、

もし仮に手を出されたとしてもお兄ちゃんに言わないから平気だよ」

 

そう言ってくれた。

 

 

僕のクリボーが大きくなった

 

 

_____________________

それからの僕達は定年退職した老夫婦の様なデートを重ねた。

朝の5時に集合して築地に向かい海鮮丼を食べたり、

早朝割で登山列車に乗り山に登ったりした。

なにげに充実していた。

 

そんな生活を2ヶ月ほど送ったある日、

さとみがラインで

「次の金曜日、お昼から次の日の夜までお兄ちゃんが帰ってこないから家に泊まってもいいよ!!!」

そう言ってきた。

なんでもクッパが泊りがけの仕事があり、家に帰ってこないらしい。

 

僕は喜びを隠せなかったが冷静を装って、

 

100パーセント帰ってこない?」

と返信した

万が一帰ってきたら確実に殺される。

 

 

さとみはビックリマークをたくさん使って

200%帰ってこないよ!!!!!」

 

と送ってきた。

 

僕は渾身のガッツポーズをした。

 

こんな機会は滅多にない

 

あのルールを知らされた日から僕は2ヶ月間、律儀にそのルールをすべて守ってきた

 

さとみを一度たりとも20時を超えるまで連れ出したこともないし、

もちろん手も出さなかった。

 

 

ただ大学1年生の僕の下半身に備え付けられていたクリボーは限界だった

 

彼女が僕に言ってくれた言葉が蘇る

 

 

”野村くんになら手を出されてもいいよ”

 

チャンスは掴むためにあるんだ

 

次の日の金曜日の13時、

僕はペペローションを持ってクッパ城に乗り込んだ

 

 

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